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樹の遍歴


目からウロコの樹(木)の話


目からウロコの樹(木)の話

木は二つのいのちをもっています。
一つは植物としてのいのちです。
地中に根をはり、空に向かって葉を茂らせ、花を咲かせ、
種をつくって子孫を増やしながら、CO2を固定し、
酸素を吐き出して生きています。

もう一つは木材としてのいのちです。
木は切り倒された後に、木材としてのいのちを得ます。
家を建て、舟をつくり、橋を架け、鍬や鎌の柄にし、
さまざまな器をつくりだしてきました。
人間は木材なくしては生きてこられなかったでしょう。

木のいのちを使いきるには、
素材である木の性質を見抜く必要がある…
「堂塔の建立には木を買わず山を買え」
「木は生育のままに使え」
「気を組むには癖で組め」
法隆寺・薬師寺の宮大工・西岡常一棟梁の口伝です。

また、木には年輪があります。
「赤身と白太」「木表・木裏」「柾目・板目」など
木材の知識の森にわけいればわけいるほど、
日本の文化が「木の文化」であり、
木が日本人の自然観を育み、
暮らしの美意識を紡ぎだしてきたことが、
まさに目からウロコがはがれる心地良さで
やさしく解き明かしてくれる本があります。
ご興味のある方は、ぜひ。

*塩野米松著『木の教え』(ちくま文庫)